5. あわあわの世界

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(78)7-12:『ニャオーン大合唱』

*** ニャオーン ニャオーン ニャオーン ニャオーン ニャオーン ニャオーン ニャオーン ニャオーン ニャオーン『なん、だこりゃ……』 出口をめざして宙を駆ける子ネコたちに向けられた『ニャオーン大合唱』。 眼下に群がる数千匹のネコたちの野...
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(77)7-11:ネコ救世軍の脅威

***「ネコ……救世軍」 彼らを間近で見るのは初めてだ。マント、フード、グローブ、ブーツ。全身を白で装(よそお)ったネコたちの軍団。 遠目には分からなかったけれど、分厚く編み込まれた鎖帷子がかなり目立っている。ヒザまである一枚布の服には鋭い...
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(76)7-10:一本道

***『先の障害物は私たちに任せてほしい』『殿(しんがり)には樹木さんがいるから安心して進んで』 海のように広がるメタル・カットスの群れ。 超巨大スラブへの道は海を割って作られた。その道にタタっと駆け出したのは2匹のチーターだ。『泡ネコさま...
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(75)7-9:つよく、優しい雲

◆◆◆ リーディアの物語には省かれたシーンがある。 厄災に心を痛めて立ち上がったリーディアは、しかしまもなく仲間に裏切られ、剣を奪われ果てのない暗闇に落とされてしまうのだ。 寒さ。飢餓感。震えるばかりの、絶望。 しかしそんな場所にも光はあっ...
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(74)あわあわの幕間:リーアの弱さ⑧ 雲のない、カラッとした空気の、とっても気持ちのいい日

◆◆◆ 満天の星空の下、円形野外劇場の舞台に立つ私。 星を遮りながら流れていく雲が悪者に見えてしまって、口の中が苦くなる。 閑散とした客席。整備の行き届いていない舞台下。そよぐ風に揺られているのは公演休止のお知らせ。ちらしはハラリと翻り、土...
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(73)あわあわの幕間:リーアの弱さ⑦ 私のリーディア

◆◆◆ 照明の絞られた舞台の上は、夜霧の荒野を思わせた。 寒い。 小ホールに空調機能はないのだけど。 カルティアさんとアルド、2匹はそれぞれのやり方でリーディアの強さを見事に演じてみせた。次は私の番だ。私は、私の理想とする彼女のつよさを描い...
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(72)あわあわの幕間:リーアの弱さ⑥ 彼女たちのリーディア

◆◆◆『おい、そこな襤褸(ぼろ)を纏った旅ネコよ。この大地はすでに死んでいる。呪いだ。呪いの砂時計はもう世界に終わりを告げている。お前にも見えているはずだ。ならばなぜ無駄と分かって種をまく』 円形野外劇場、地下小ホール。 夕闇ほどの照明の中...
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(71)あわあわの幕間:リーアの弱さ⑤ 『ネコネコ大戦』

◆◆◆ 『ネコネコ大戦』 それは歴史の教科書において、まるで一人称のボクやワタシのようにほとんどのページに出てくる単語。それだけ深くネコたちと関わりがあり、長く続いた争いというわけだ。 早朝トレーニングを終えた私は、寮の自室に戻り、メロウ・...
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(70)あわあわの幕間:リーアの弱さ④ 戯曲『幸せをまいて歩くネコ』

◆◆◆ その戯曲は、呪われた大地に種をまく『リーディア』が、「ムダなことはやめろ」と声をかけてきたアレッシオに厄災の日々を語り聞かせる場面から始まっている。 リーディアは、大切なものを喪(うしな)ったことで真実を受け入れ、厄災を欺(あざむ)...
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(69)あわあわの幕間:リーアの弱さ③ 足りない何か

◆◆◆ 理想の私を雲に描いていく。 もくもくと広がる白いカンバスに漠然と。 たどたどしい筆致ではあったけれど、そこには確かに未来の私がいて、彼女は、満面に自信を湛えてこう言っていた。 ――ここまで来られるかしら? 仕草のひとつひとつに品があ...