あわあわの世界

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(68)あわあわの幕間:リーアの弱さ② あの雲に理想のあなたを

◆◆◆  心を震わせたのは冒険譚。  強大な竜の支配する世界。誰もが諦めた目をしている中でただ1匹、それを否として立ち上がる主猫公。  投げ出したくなるほどの困難に刃を構え、力強い言葉で味方のネコたちを鼓舞し、ただ1匹となっても諦めず壁を乗...
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(67)あわあわの幕間:リーアの弱さ① 壁と器

◆◆◆  ギャーギャー喚いている子ネコだった。  芸術都市メロウ・ハートという華の中に生まれた私は、そのことだけで周りからはちやほやされ、将来を嘱望された。それが嫌だったわけじゃない。  向けられる笑顔は私の顔を上げ、寄せられる期待は推進力...
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(66)7-8:熱光線と裏切りと

***  『あくび光線』の前兆を見てすかさず動いたのは茶色いマイケルだ。タッと飛び出し光を弾くつもりが「だめっ!」とリーディアさんに首根っこをつかまれた。子ネコは後ろに放られ、代わりに彼女が前に立つ。 「「「下がって下さい!!」」」  今度...
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(65)7ー7:芯の共鳴

*** 『場が荒れる? 今以上にか』  白い群、クロヒョウたち、そして雲派閥。集まった神さまたちを代表してウンピョウの『雲ネコさま』が尋ねる。もちろん茶色いマイケルたちも聞いていた。  鬼ネコ面のリーディアさんは、クリーム色のしっぽを円を描...
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(64)7ー6:雲の神さま

*** 『このような形で顔を出してしまった事をまず詫びる』  神とネコとが続々と集結する中、茶色いマイケルたちのいる『巨大メカネコの足元』にやって来たのは、ジャガーネコたちをまとめているという雲ネコさまだ。  風ネコさま情報によればフォルム...
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(63)7-5:神の権能攻撃

*** 『なんだなんだー? 権能使ってねーかー? 大空のヤツらー』  茶色いマイケルのフードの中、さっきまでじっとしていた風ネコさまがひょいと顔を出す。爆発した巨大メカネコを見ると、不眠不休で働いたネコみたいにバタッと真横に倒れ込むところだ...
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(62)7ー4:メカネコをポイする

***  『あくび光線』は厄介だ。  ただ『巨大メカネコ』は鈍重だった。  足元に潜りこみさえすれば、なんとそのまま動かなくなる。探そうともしない。おかげで4匹は『巨大メカネコの真下』を避難所にすることができたよ。これでしばらくは弱った神ネ...
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(61)7-3:猫平線上のメカネコたち

***  子ネコたちは地面に降り立って「フシューっ」としっぽの毛を逆立てた。 「あれって、神ネコさま……?」  『金属の霧』の向こうから押し寄せてくるたくさんのシルエット。よく見ると、風ネコさまや雪雲ネコさまと同じ、四足の『神ネコ』姿をして...
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(60)7-2:『あくび光線』

***  『金属の霧』の中を、茶色いマイケルは目をつむったまま全速力で飛んでいた。まぶたの裏で聴いているのは爆発音と、神ネコさまたちのうめき声。  『グルルル』『ぐおぉぉ』という猛獣の声は、夜の動物園にいるみたいだ。状況を知らなければ逃げ出...
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(59)7-1:金属の霧

***  目の奥に光が突き刺さる。  まともに見てしまった茶色いマイケルは、宙に浮かびながら前後不覚に陥った。 「無事か! 返事をしてくれ! おい!」  虚空のマイケルの声はいやに小さい。 「やばぁっ、みんな進んでるぅ? 止まってるぅ!?」...