小説

1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑩

###### 茶色いマイケルは目をつむって、耳を澄ませた。 スノウ・ハットの中心から明るい笑い声が聞こえる。 だけど迷路街から聞こえてくるのは誰かの いびき とお腹の鳴る音だけだった。 もしかして! パチンと大きな目を見開いた。「シロップが...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑨

###### 外からのお客さん子ネコを 新雪のきれいな空き地まで送り届けた茶色いマイケルは、「あっちの雪にも こっちの雪にも足跡がある。いつもより食べるのが早いなぁ」 と目星をつけておいた縄張りを巡ったよ。30ヶ所目の縄張りにもたくさんの子...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑧

### だけど、一日目のお祭りを楽しめない子供たちだって、二日目となると違ってくる。 昨日まで押し黙っていた子ネコたちが、猫をかぶっていたのかと思うくらい はしゃぎだすんだから! お父さんネコお母さんネコはもちろん、兄弟姉妹ネコや、近所のお...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑦

### スノウ・ハットっていう名前はね、お祭りの名前でもあるんだ。 国の名前をお祭りの名前にしたのか、お祭りの名前を国の名前にしたのか。 どっちが先かは分からない。お母さんネコが子ネコのころからスノウ・ハットの名前は変わっていないんだからね...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑥

### 玄関の鈴がカランカランと威勢よく鳴った。 茶色いマイケルとお母さんネコは片付けの途中だったから、「「はーい」」 と声だけ先に玄関へ飛ばしたよ。ガチャリとドアノブをひねる音が聞こえた。扉の閉まる音がして、もう一度ドアノブをひねる音。 ...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑤

### 子ネコたちにとって秘密基地は特別なんだ。 他のネコを招いたりしない。 みんなそれぞれに秘密基地を持っていて、だからスノウ・ハットには子ネコたちの秘密基地がごまんとある。 ほとんどは丘の周りの林にあり、草の上にシートを敷いただけの簡単...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル④

### 茶色いマイケルの家はスノウ・ハットの中心から近い。 ご先祖ネコ様の丘を下って突き当りの路地を右へ折れたらすぐだ。 家の前の通りは石造りの家が立ち並んでいる。壁は真っ白だからわかりにくいけれど、すっごく古い家ばかりなんだって。 古いっ...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル③

### 雪が降りはじめるよりも前の季節のことだった。 茶色いマイケルとお母さんネコは、丘へと続く坂道を歩いていた。 お母さんネコについて歩く茶色いマイケルの、茶色いしっぽは踊るように弾んでいて、もしも茶色いマイケル自身がそのしっぽを見たなら...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル②

*** それでも、氷の大噴水広場につく頃には、いくらか穏やかな気分になっていた。 通りを歩く親子連れネコたちの姿がちらほらと見られたからだ。 お父さんネコとお母さんネコ、両手をつながれた子ネコがぴょんぴょん飛び跳ねて、両親ネコを困らせている...
1. 茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル①

今年のスノウ・ハットにはあまり雪が降らなかった。 スノウ・ハットと言えば毎年たくさんの雪が積もることで有名で、冬になるといろんな国から様々な種類のネコたちが集まってお祭りを楽しむんだ。 道はもちろん、街路樹にも雪。建物にも、街の夜を灯す外灯...