抑揚をつけて脳に教えこもう
抑揚をつけることで早口言葉が言いやすくなります。
それとアクセント!
よ↓く→よー↑ってなに?
まだ読んでいない方は前回の記事をどうぞ!
滑舌特訓の全体像がわかります。
課題のポイント
前回の課題
「練習してるんだけどね」から始めます。
ぬこじゃむ のつまづきポイントは「し」。
何も考えずに言わせるとこうなります
れんしゅーしゅちゅるんだけどね
「練習」の「しゅ」と
「してる」の「し」が
ぐちゃっと混ざってしまう。
すると、その後にある
「してる」の「て」が
あいまいになるんです。
これを直すにはまず
「し」を言うときに、
息を速く吹き出します。
れんしゅう してるん だけどね
「練習」の「し」と
「してる」の「し」
二つありますから、
二回とも速く息を出す。
短く切ることを意識するともっと聞きとりやすくなります。
れんしゅっ、し、てるんだけどね
どうでしょう、
「し」につられて、
「してる」の「て」も、
はっきりと発音されていませんか?
これは次回以降に話す、
「息のつかい方」と「腹圧」
の合わせ技です。
詳しくは次回!
もっとも高い音
さて、ポイントはもう一つあります。
「練習してるんだけどね」
と声に出すとき、
どの音がもっとも高い音になるでしょう。
実際に声に出すか、頭の中で音をイメージしてください。
「練習してるんだけどね」
「るん」のところが高い音になるでしょう。
「練習」の「しゅう」と、「るん」とで音の高い低いを比べてみると、違いがはっきりすると思います。
これを感じられたら次っ!
言葉の音を知る
抑揚(イントネーション)とは
抑揚とは「音の調子を上げ下げする」ことです。
「調子」というと古典的に感じますが、音の「高い低い」のこと。音楽をやっている人なら「ピッチ」で伝わるかな。
「抑揚」という言葉も、「イントネーション」と言い換えたほうが耳になじむかもしれませんね。
そう、
「練習してるんだけどね」
の「しゅう」と「るん」で感じた ”音の高い低い” 。
それこそがイントネーションなのです。
脳がわかる
人の脳は、音の使いかたに敏感です。
同じ内容でも、
いつもとちがう音の使いかただと、
意味が分かるまでに時間がかかりますよね。
なじみのない方言をきいた時なんて、いい例でしょう。
他人の話を聞くとき、
音から言葉の意味を感じとっている
と考えていいかも。
つまり
音の使いかたを考えて言葉にすれば、
人に伝わりやすいだけでなく、
自分にもわかりやすい
というわけです。
自分にも??
実践
それでは実際に早口言葉を使って考えてみましょう。
うべぇ
坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた
早口言葉の定番!
絵のうまいお坊さんです。
これをぬこじゃむが言うと
ぼうずがぶじゅー……
いきなり撃沈!
ちょっとかわいそう。
とっととコツを教えてあげましょう。
ポイントは二つ。
- 5つに分ける
- 音の使いかたを確認する
5つに分ける
この早口言葉には、似たような音の言葉が4つ使われています。
「坊主が」「屏風に」「上手に」「坊主の」:「絵を描いた」
「絵を描いた」以外は
漢字二文字 + ひらがな一つ。
漢字部分をひらがなにすると
「ぼうず」「びょうぶ」「じょうず」「ぼうず」
です。
小さい「ょ」は
「びゃ」「びゅ」「びょ」
のように前の文字とセットなので、
実質的にはすべて三文字なのです。
つまり全部似てる。
にてると どうなるの?
似てると錯覚しちゃうんですよ、脳が。
言葉がごっちゃになってしまう。
なので。
パーツごとに音の使いかたを確認して、
脳に「これはこういう言葉なんだよ」と
言い聞かせてあげましょう。
音の使い方を確認する
一つ一つ音を確認してください。
「ぼうずが」を例にとると、
ぼ↑ う↓ ず→ が↑
という音になっています。
「ぼ」と「が」では
「ぼ」のほうが高い音。
これを意識して声に出すと、
ちょっとした知り合いに会った時にする会釈みたいになりませんか?
その例え、すごくわかりづらい!
あるいは居酒屋ののれんをくぐる動き。
わかる人が限られる
「ぼうずが」って言いながらだと、くぐりやすくなりますよ、のれん。
分解して練習する
全部の音を確認し終えたら
次は部分練習です。
5つあるパーツを組み合わせて練習します。
「坊主が」「屏風に」「上手に」「坊主の」:「絵を描いた」
- 「坊主が」:「絵を描いた」
- 「屏風に」:「絵を描いた」
- 「上手に」:「絵を描いた」
- 「坊主の」:「絵を描いた」
音をイメージしながら声に出すのです。慣れてきたらパーツを増やす。
- 「坊主が」「坊主の」:「絵を描いた」
- 「坊主が」「上手に」:「絵を描いた」
……という具合に。
「坊主が」「屏風に」と
「屏風に」「上手に」の部分が
難しいかも。
でも、音を確かめながら丁寧に発音すれば、絶対に言えます。
脳に教え込むつもりでイントネーションをつけるとよいですよ。
アクセント
さて、実はこの早口言葉、
もっと手っ取り早く言えるようになる技があるんです。
それがアクセント。
「ぼうずが」「びょうぶに」「じょうずに」「ぼうずの」「えをかいた」
と5つあるパーツの最初の頭文字を強く言う。
これだけで割とさらっとこの早口言葉をクリアできちゃったりするのです。
えぇ……
はやくいってよ~
でも、それじゃあ大事なことが伝わらない。
言葉っていうのは『意味のある音』なのです。
歌を歌うときと同じように、
音に耳をすませること。
それを伝えたかった。
言葉の音に敏感になれば、しゃべり方だけでなく歌い方だって変わってきます。
「音程は合ってるはずだけど、なんかうまく聞こえない……」
そんなときの助けになるはずです。
まとめ
小さく分けて
ゆっくり練習すれば
ほとんどの早口言葉は言えるようになります。
アクセントとイントネーション。
この二つを中心に、音を意識して下さい。
みみがよくなるよ
……とはいえ、
小さく分けても言えない言葉があります。
『さ行』!
ぬこじゃむ最大のライバル。
言葉未満の、文字!
強敵すぎるので、また何回かに分けて書くかもしれません。
それ以外にも『隠れ強キャラ』がいるので、
闘い方をご紹介します。
それではこの辺で!
次回は
『【第三回】早口言葉のコツをつかんで滑舌トレーニング!』でまた!
坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた!
ぼうずがーじょうずにーぼうじゅ……
第三回はこちら↓
コメント投稿