創作活動

3. 果実のマイケル

3-7:箱詰め子ネコ

*** 隣にいた灼熱のマイケルが、荷物の無事を確認し終えた時だった。 ぉー…… ぉー……「「ん?」」 消えかけのヤマビコみたいな音が、よく響く廊下をゆらゆらと漂ってきたんだ。なんだろう、誰かが呼んでる? なんて考えているうちに灼熱のマイケル...
3. 果実のマイケル

3-6:置き引きネコを追え!

***「ま、まてっ!」 子ネコは観客席を登りきっていた。ボロ服がひらりと揺れて2匹のマイケルを盗み見る。「下だ、下に降りてった!」「わかっとる! ワシは上から見張るから茶色はヤツを追え! 地下に逃げるかもしれん」 ぴょんと階段を飛び下りたけ...
3. 果実のマイケル

3-5:円形野外劇場

*** バイクネコから街の名前を聞いたとき、2匹のマイケルは耳を疑った。 だって芸術都市メロウ・ハートって言えばさ、華やかに着飾った役者ネコさんたちが、輝かしく歌って踊ってるイメージなんだから。録画映像の中、距離も時間も越えて胸にひびくあの...
3. 果実のマイケル

3-4:廃都市にて

***「いたいっ、いたいよ!」 声をあげる茶色いマイケル。 灼熱のマイケルは何も言わず、左手で首を押さえつけたまま右手を振り上げた。握っているのは刃渡り20センチほどの鉈。鈍く光を返している。「や、やめてったら、ねぇ!」 だけどヒゲを引きつ...
3. 果実のマイケル

3-3:交渉

*** 「のう、お前さんたち」 朗らかな声で灼熱のマイケルが話しかけると、100匹近くいるバイクネコたちが振り返った。 ところどころに三毛ネコや黒ネコがいるものの、大抵はサビネコみたい。 黒地にオレンジ、あるいはオレンジに黒。絵の具を散らし...
3. 果実のマイケル

3-2:バイクネコ

*** スノウ・ハットを夜に旅立った2匹が、気力を充実させていたのは三日目の夜までだった。 意気込みが疲れに変わってくると、頭が現実に引き戻される。 着替えや食料、飲料水。野宿の覚悟はしてきたけれど、次の街への方向や距離までが分からないとな...
3. 果実のマイケル

3-1:荒野の2匹

*** 乾いた風に、毛がなびかない。 毛づくろいしようにも、唾液が出ない。 お気に入りの真っ白だったパーカーは薄汚れて、それを着る茶色いマイケルもげっそりやせ細っていた。「ね、ねぇ。あとどれくらいで次の街につくのかな?」 生木をひっかくよう...
2. 灼熱のマイケル

2-21:決意

*** どこから話そうか。 ホロウ・フクロウが出てきたところから? 迷子の子ネコを見つけた話かな? 茶色いマイケルは今日の出来事を思い浮かべながら家路を急いでいた。 氷の神殿で聞いた、ご先祖ネコ様たちの話をしてみたらどうだろう? 雪と氷の女...
2. 灼熱のマイケル

2-20:夕暮れ時、別れ

*** 夕暮れ時。色づく大噴水。遠く伸びる鐘の音。迷子の子ネコセンターから離れていく親子ネコの影。 氷の大噴水広場には、名残惜しい景色がたくさんあった。 今年の雪の少なさに、誰もががっかりしていると思っていたけれど、そんなことないんだね。き...
2. 灼熱のマイケル

2-19:冒険の誘い

*** 茶色いマイケルと灼熱のマイケルは、お互いの服や毛についた泥を払いあった。乾燥した土がぽろぽろと落ちていくのは見ていて気持ちがいい。 なんだかこういうのって、初めてだな。 最近は他の子ネコたちと遊ぶにしても、お兄さんネコとして振舞うこ...