4匹のマイケル

ホロウ・フクロウの大森林と灼熱のマイケル

2-2:屋根から生えた脚

***  誰だろう、すっごく高い声。  茶色いマイケルはヒゲと耳に集中した。長いヒゲが 空気の流れをとらえ、耳がそれを読みとり、頭の中でいきものの輪郭を浮かび上がらせる。  少し変だったんだ。いつもなら声の方向くらいは分かるのに今回はぼやけ...
ホロウ・フクロウの大森林と灼熱のマイケル

2-1:くねくね曲がった坂道

***  意地悪なくらい天気に恵まれた冬の午後。  くねくね曲がった坂道を、茶色いマイケルは1匹でぼんやりと下っていた。  この辺りはスノウ・ハットの街でいちばん新しい。  平地の多いこの街は、お祭りの評判もあって住みたいっていうネコが多い...
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スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑰

###  あっはっはっはっは!!  茶色いマイケルの家に、お母さんネコたちの笑い声が響き渡った。  普段はもっと大人っぽく「うふふ」って笑うのに、まるで子ネコみたいだ。そんなに大口開けて。虫が飛び込んできちゃっても知らないんだから! 「もう...
スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑯

###  茶色いマイケルは、お母さんネコと チルたちのお母さんネコと一緒に、思い出話に花を咲かせていた。  テーブルを囲んでアフタヌーンティーをペロペロ舐めながらね。もちろん温ぬるめだよ? 猫舌だからさ。 「あれで終わりだったら良かったのに...
スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑮

######  迷路街を駆け回る子ネコたち。  茶色いマイケルを先頭に、路地という路地が子ネコで埋め尽くされる。  子ネコたちは 途中でごっちゃごちゃに混ざり合い、誰がどこに住んでいる子ネコなのかさえ、分からなくなっていた。  いいさ、みん...
スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑭

###### 「おーい、子ネコたちー! 聞こえてるかーい?」  茶色いマイケルは両手を口に添えて、大声で呼びかけた。 「ボクたち今からシロップ祭りをするんだ! みんなもおいでよー!」 「「「おいでよー!」」」  チルたちを含めた全子ネコがあ...
スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑬

###### 「さぁさぁシロップ! シロップ祭り! 一緒に雪を染め上げよう!」  迷路街の大人ネコたちは騒然とした。  そりゃあそうさ、だって見慣れない子ネコたちが大挙して押しかけ、街を練り歩いているんだからね。  そう、茶色いマイケルたち...
スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑫

###### 「いいかいみんな、大人ネコたちには気づかれないようにするんだよ?」  茶色いマイケルのお願いに返事を一つ。子ネコたちは身を低くした。 「もし子ネコを見つけたら、おいでおいでって手招きしてね。一緒に連れて行くからさ」  じゃあ、...
スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル

スノウ・ハットの銀世界と茶色いマイケル⑪

######  『氷の大噴水広場』にある 一番大きな縄張りに着くと、そこではお腹をパンパンに膨らませた子ネコたちが ひと休みしていた。  兄弟ネコは折り重なるように倒れ、女の子ネコだって空を仰いでお腹を抱えている。  その中にチルたち5匹の...