書ける生活

書ける生活 ブログ記事

 バラエティー番組を見ない分、その時間をアニメにあてていた。

 二時間バラエティーを見る時間があれば30分アニメを4本見られる。寝る前にもう一本くらい見るから一日5本。一週間にすると35本なので、その時期に放送しているアニメは結構網羅できていた。

 変化のはじまりは運動をしながら動画を見られることに気づいた時だ。

 30分という時間は長い。簡単なストレッチとはいえ、毎日これをし続けるにはそれなりのモチベーションが必要だ。それを解決してくれたのがスマホ&イヤホンでのアニメ視聴。ながら運動なので集中力はやや落ちるが、スポーツアニメなど作品によっては もりもり力が湧いてくる。『運動している時間はアニメを見られる』という楽しみがいい報酬となり、多少体調が悪くても運動したいと思えるのだからアニメ好きにはオススメしたい。

 こうしてご褒美になるくらいアニメを見るのが好きだった。

 しかし集中力が落ちるのはなにも運動だけではないのだ。当然ながらアニメへの集中も散漫になってしまう。

 するとどうだろう。今まではそこそこ楽しめていた作品が、本当に今見なければいけないのか、というレベルに落ちていた。もちろん主観です。

 未視聴アニメがたまってしまった時など、以前なら時間を削ってまで見ていたのに、それをしなくなった。いや、しばらくはしていたのだけれど、ただただ消化していく感じに ”残飯処理” 的な心地しかしなくなったのだ。そこで得られるのはうすら笑い程度の感想で、下手をすればなぁなぁで30分経っている。

 なんか振り回されてるなぁ。

 そう感じた。

 何かに振り回されたとしても、それなりに感想を持てればいい。「めんどくさー」でも「きっつ!」でも、感想は感想。心は動いている。

 本当の問題は 感想も浮かばないのに いつまでもかかずらわっていることの方だろう。空白の30分が量産されていくことの方。

 そんな日は 日記を書くのが難しい。

 話題が作業の進捗で占められる。これはこれで楽しいことではあるけれど、単調になりがちだ。

 すると今度は小説を書く手が鈍るのだから どうしようもない。

 運動しながらのアニメ視聴をオススメしておきながら何を、と思われるかもしれない。別にそのことを批判したいわけではないし、推奨する気持ちが変わったわけでもない。むしろそのおかげで気づいたことがある。

 どうすれば書ける生活になるのかということだ。

 こう言ってしまえば元も子もないのだが、切り捨ててしまえばいい。「この先 面白くなるかも」と無理に期待するくらいなら、ばっさり切り捨てて、もし面白くなったらレンタルでも何でもして見る。それでいい。「面白くない作品も見ておく必要がある」なんて生真面目に考えすぎると、いつのまにか書けない生活に足を踏み入れていることになる。それはいけない。

 もしかすると今までも、いつの間にか 心を動かせないものを取り込んでいて、”空白の30分”をいくつも生んでしまっていたのかもしれない。それが積み重なって小説を書く手だけでなく、普段の考える力までもが鈍くなっている。もしそうだとしたら……考えるとうすら寒くなる心地だ。

 誤解のないように付け加えるが、(主観的に)本当に楽しめる作品は、運動していようが何していようが楽しい。

 しっかりと心が動く。

 だから大切なのは、切り捨てるかどうかの判断をするところにある。

 別にゴミ箱に捨てるわけじゃない。その作品を好きな人はどこかにいるはずなのだから。ただ、それは自分じゃないってだけの話。

 これはアニメだけに限らないだろう。

 書ける生活をしよう。

 心の動く生活をしよう。

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