創作活動

3. 果実のマイケル

3-17:店主ネコの実力

***「えぇ? 実みは足りてるんだよねぇ?」「ええ、十分に」「じゃあどうして!?」 立ち上がった茶色いマイケルへの返答は、変わらない笑顔だった。「店主、やはり貴様何かおかしいな。さっきの話もそうだ。一応の筋は通っていたが話をはぐらかされた気...
3. 果実のマイケル

3-16:果実の持つ実

*** 果実のマイケルは、肩掛けカバンの口を開いて何かの実を取り出した。「それってシチューに入ってた実?」 茶色いマイケルが身を乗り出すようにして訊くと、「そぉそぉ」と言いながら立ち上がり、カラバさんにその実を渡す。小ぶりなマンゴーくらいの...
3. 果実のマイケル

3-15:あわあわの世界の入り口

***「正確な情報は私どももつかめておりません。なにぶん流通経路がいくつも断たれており、情報も入りづらくなっておりますので。とはいえ果実のマイケルさんのおっしゃることは事実としてお受入れ下さい。世界は安定性を欠き、不安に駆られたネコたちは争...
3. 果実のマイケル

3-14:果実の目的

*** 大空の国にあるもの。 カラバさんが初めに教えてくれたのは肥料だった。大空の国の肥料といえば、農業をしているネコにとってはよだれが出ちゃうくらい欲しいものなんだって。育てた植物が2倍も3倍も元気になって、種なんかもうんと採れるって言っ...
3. 果実のマイケル

3-13:時間の支払い

***「となると次は、どうやって『大空のマタタビ』を5枚貯めるか、だな」 うん、とうなづきかけた茶色いマイケルだったけど、カラバさんの雰囲気が変わる。ちっとも動いていないのに、目を離せなかったんだ。「それには及びません。灼熱のマイケルさんは...
3. 果実のマイケル

3-12:大空のマタタビ

*** 爪と牙とを剥き出しにしたものの、灼熱のマイケルはぐっと堪える。「……それが最善だった、と?」 ぐつぐつと煮えたぎる熱湯のように押し殺した声。茶色いマイケルは微笑んだままのカラバさんへと目を移す。でも口を開いたのは果実のマイケルだった...
3. 果実のマイケル

3-11:『長靴を売ったネコ屋』

*** メロウ・ハートの入口から円形野外劇場へとつづく、荒廃した大通り。 その道を歩いていると、左側、崩れた家々の向こうにも通りがあることに気づくんだ。瓦礫の散乱する小道に入っていくと交差点に行きつく。その角にお店はあったよ。 お店の名前は...
3. 果実のマイケル

3-10:子ネコの事情

***「ん、うまいな。鶏肉しか用意しておらんかったが、こんな実どこから持ってきたんだ?」 それはシチューの中身。小麦粉と牛乳は分けてもらったけど、クリーム色のシチューの上にぷかぷか浮かんでいるこの、丸くて柔らかな実には覚えがない。熟れたオレ...
3. 果実のマイケル

3-9:果実のマイケルと小さじ

*** トタトタトントン、トタトタトン まな板の上で踊る包丁。石作りのかまどに火がおきて、パチパチと音を立てる。 いよいよ星も出そろったという時間、茶色いマイケルたちは借りた小屋に戻ってきた。 灼熱のマイケルは到着するなり「血抜きしたニワト...
3. 果実のマイケル

3-8:匂いをたどって

*** 大柄な子ネコが近づいて、顔がずいと寄れば視界が埋まってしまう。 そこへ割って入る高い声。「お前、ワシらにケンカを売るつもりか? いいだろう買ってや」「待って待って灼熱、はやいはやいって! ねぇ、何のニオイを嗅いでるのか分からないけど...