クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-51:極光 *** 突然の夜。日蝕だろうかと空を見上げると星が出ていた。 舐めたら甘い味のしそうな星の海。 隣を見れば風ネコさまが、茶色いマイケルの耳に手を伸ばしたまま、氷像みたいにかちんこちんに固まっていた。風ネコさまだけじゃない。3匹のマイケ... 2021.05.05 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-50:疲れる景色 *** 山脈が再び震え出した。 今度は震えるにとどまらず、大地の神さまの後を追うように、ぼろぼろと崩れていく。頂上を残して壁面が崩れ、周りの山々も大きくひびの入った箇所からガコッと割れて、斜面をなだれ落ちていった。 物凄い音がしていた... 2021.05.04 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-49:宣言、そして崩壊 『よーし来るか、来るよな? 来い、来い、出てこい』 どこからともなく聞こえてくる風ネコさまの声は、無邪気というよりは真剣で、ずっとずっと待ちわびたものがついに目の前に現れる、という高揚感でいっぱいだ。 反対に、一拍遅れて叫んだ灼熱のマイ... 2021.05.03 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-48:ネコ鉄砲の引き金 穏やかな色で塗りかえられていく空。 薄いカーテンをサーッと閉めるように、そこにあったものすべてが押し流されてしまった。 黒雲、雷、大渦、炎、礫、隕石……。それらが寄せられ、詰められ、転がり、ひしゃげ、潰れて、霧散しながら、大空の端へ端へ... 2021.05.02 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-47:雷雲の海 *** 球雷は、さっきよりもかなり速く膨らんだ。あんまり速いからすぐにクラウン・マッターホルンの頂上が飲み込まれるかと思ったんだけど、 あれって……! つむじ風が立ったんだ。それも崖の上で見たものよりずっと大きくてはっきりした、ほとん... 2021.05.01 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-46:ネコ裁判 *** 擦れた呼吸音だけがやけに大きく聞こえる空の上。 茶色いマイケルは視線の先に、『風の獣』に乗った2匹のマイケルを見つけた。 虚空のマイケルは、肩で息をしている果実のマイケルの元へと滑るように近寄り、ケガが無いかどうかを確認してい... 2021.04.30 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-45:雷樹と黒ネコと *** 大きな音はしなかった。 ただし、変化が無かったわけじゃない。 茶色いマイケルたちの正面、青空にひびが入っていたんだ。ピシリ、ピシリと繊細な音をたてながら、光の亀裂が上へ横へと広がっていく。 「雷樹……」 虚空のマイケルが『風... 2021.04.29 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-44:お礼 *** 『神世界鏡の欠片』は『尖った岩』に打ち当たるなり細かく砕けた。 シャン、と軽く涼やかな音をたてて、風に撒いた砂のように粉々になってしまった。その粉が爆風に乗って雷雲ネコさまの中へと吸い込まれていく。 風の勢いはすごかったし、ほ... 2021.04.28 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-43:ネコパンチ(大) *** 『……何をしたぁ』 『雷蛇』を消しとばされた雷雲ネコさまの声はぐつぐつと煮えたぎっていた。だけど茶色いマイケルたちは取り合わず、 「よし、これで動けるぞ! 散開するんだ!」 「「ニャー!」」 とそれぞれに『風の獣』を操って雷雲ネ... 2021.04.27 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-42:突撃ネコ *** 「よろしくお願い致します、風ネコさま」 『じゃー、さっさとあの小心者を吹っ飛ばせよー。びゅーん、て』 打ち合わせが終わるとまもなく、上空の黒雲からはびゅうびゅうと、雷鳴を上書きするほどの風の音が聞こえてきた。風ネコさまは『雷蛇』の... 2021.04.26 2021.10.13 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル