クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-33:白 *** まどろみの中、それが何なのか分かるには、しばらくかかった。 白い。 冷たい。澄んでいる。 寒い。痛い。くすぐったい。 懐かしい心地だ。だんだんと感覚が追いついてきて、奥に仕舞っていた記憶と重なって出てくる。今どういう状態な... 2021.04.17 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-32:残り時間 *** びゅうびゅうと吹き上げる谷風が、追いつこうとする子ネコを邪魔してくる。声はかき消されてしまい、風音で耳が切り裂かれそうだ。 茶色いマイケルは、5万メートルからの降下にも無かった怖さを感じていた。 意識不明の状態で落ちていく仲間... 2021.04.16 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-31:第6ポイント 岩壁 *** 第6ポイント。 雄大と仰いだ稜線は見当たらず、目に映るのは岩壁ばかり。その岩壁にしてもほぼ垂直で、道と呼べるものもすでに無くなっていた。荒く割った氷のような崖を、ひたすら上るばかりなんだ。 氷という例えは、見た目ばかりじゃない... 2021.04.15 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-30:第5ポイント 岩の斜面 *** 第5ポイントは、岩の斜面の広がる場所にあった。 左手に山、右手に崖というロケーションは第4ポイントの崖沿いの狭い道と同じで、ここはその道幅がぐっと広くなった感じかな。一見すると足場もあって安全そうに見える。 だけど一度足を滑ら... 2021.04.14 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-29:第4ポイント 崖 *** 「くっ、すまんっ!」 「よしきたっ! 果実っ」 「はいはぁいっ」 左手側には岩壁、右手側には崖。 第4ポイントは岩壁沿いの細い道の途中にあった。 欠片のある場所はほぼ分かっていて、あとはそこへたどり着くだけ、という時に塵ちりを... 2021.04.13 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-28:歩み *** 神世界鏡は害されることを拒絶するらしい。 第2ポイントで降り注いだ噴石が、全て粉々になっていたということから予想はしていたんだ。 それが確信に変わったのは、第3ポイントで欠片の上に倒れていた虚空のマイケルが、不自然なくらい澄ん... 2021.04.12 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-27:第3ポイント 火口湖 *** 「ここからは登頂ルートに入る」 午前7時ぴったりに山小屋を出た4匹は、簡易標識のある三叉路に立っていた。 「まず山の裏側にある第3ポイントへと回り込み、そこからぐるっとこちら側に戻りながら第4第5第6ポイント、そして頂上である第7... 2021.04.11 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-26:第2ポイント 噴石② *** 異変にいち早く気づいたのは先行していた虚空のマイケルだ。事前調査で噴石地帯ということは調べてあったからね、頭上も警戒していたんだろう。 「くるぞ」 立ち止まり、噴石に向かって指をさした。茶色いマイケルたちは早足で虚空のマイケルの... 2021.04.10 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-25:第2ポイント 噴石① *** 「第2ポイントは少し離れているが、時間は十分にあるから確実に進もう」 茶色いマイケルたちは朝6時を過ぎてから小屋を出て、第1ポイントのあった森林地帯とは逆方向の道を進んでいた。 虚空のマイケルが先行し、きょろきょろと忙(せわ)し... 2021.04.09 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル 4-24:山小屋 *** 予定よりもずっと早く第一ポイントの欠片を見つけた4匹は、拠点とする山小屋に来ていた。 山小屋なんていうけど設備はかなりしっかりしていて、体を横たえるスペースだけじゃなく、キッチンやテーブル、ベッドにお風呂、水洗トイレまでついてる... 2021.04.08 2021.08.14 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル