あらすじ:
気まぐれで『スパイになれ』と言われたぬこじゃむでしたが、まんまと口車に乗せられて、ついやる気になってしまいました。
その単純さはあぶない
大抵の仕事には下請けがある
さっそくだがここで交代だ。あまり喋りすぎると威厳がなくなるからな。代わりに説明するキャラを創ることにした。
すごい
本から学んだことはすべて、こやつに叩き込んであるから、おまえはしっかり学びなさい。
わかったー
(それってもう、目的達成してるんじゃ……)
ハジメマシテ
ワタシはメカからしぬこデス
どうぞよろしくお願いしマス
(!?
よ、よろしく
(ぷぷぷ。からしちゃんヘンなかっこうしてる。気づいてないと思ってるのかな。おもしろいし知らんぷりしてみよっと)
(ちがうちがう
さて本題に入る前に、簡単に本の紹介をしておきまショウ
『スパイの教える思考術』の著者は、元CIAの工作員、つまりスパイデス
ふーん(ぷすぷすぷす
本では「とある国に潜入中、情報源と落ち合うまでに出くわしたトラブル」を例として、そこでの思考の流れが詳細に綴られていマス
マンガやアニメでよくある、考え始めると時間がすごくゆっくりになるアレデス
他にも、CIAが組織としてどう動いているのかや、アメリカという国のシステムにも触れており、おおまかなイメージをつかむのにいい本かもしれませんヨ
そうだねぇ〜
まあ、きょうみないけどぉ
……
(ちょっといじわるすぎたかなぁ。ぷくく
あなた……
ん? なになに? ちゃんと聞いてるってばぁ
いいえ、そうではありまセン
実はここに、最新式の空間脱出装置があるのデスガ……
ええっ!? よくわかんないけど、ここから出られるってことぉ?
使いますカ?
ドウゾ
やったぁ!
帰ったらいっぱいダラダラしようっと
ぽちっ
やっぱりですカ
帰りたくなったらこれで帰るようにと渡されていたのデス。役目を果たしたあとで使うものかと思っていましたが、試してみて正解でしたネ
ね、ねこに使わせるなんてひどい
何を言っているんですカ
見たことも聞いたこともない道具を渡されて、確かめもせずに使うなんて狂気の沙汰としか思えませんヨ
ようく覚えておいて下サイ
スパイは命をかけられる道具しか使いまセン
壊れやすいものや複雑な仕組みのものは避けますし、長く使われてきた古い道具が好きですネ
古い? 新しい方がいいんじゃないの?
いやいや、最新式なんていう単語が聞こえてきたら、耳をふさいで逃げ出しますヨ
5、60年は使われてきた道具がいいデス
ご……そんなにぃ?
考えてもみてくだサイ
スパイ活動どころか日常生活でさえたくさんのアクシデントがあるのデス
事故や事件に巻き込まれることは少なくても、ちょっとぶつかったり、気温の変化で身体がうまく動かせなかったり、といった想定外の出来事はしょっちゅうありますよネ。それらすべてを製品検査の段階で検証することは難しいデショウ
ですが、長年使われてきた道具であれば、すでにたくさんのアクシデントに遭っているハズ。スパイの愛用品であれば、スパイの身に起こるさまざまなアクシデントを乗り越えてきている道具といっていいデショウ
そのためスパイは、よく使い込まれた古いものを好むのデス
そして新製品をとにかく嫌がりマス
でもさぁ、仕事ならどうしてもやらなきゃいけないこともあるんじゃないのぉ?
イヤでも道具使わなきゃいけないことが……
…………
え、なに?
いえ。社会人くずれみたいなこと言うんだなぁト
くずれ!?
まあ、確かに命を危険にさらしてまで「新製品はイヤだ」なんてことは言いませんヨ。そういう場合はホラ
今やったみたいニ
……?
そうそう。とりあえず他人に使わせれば手っ取り早く検証できマス
ねこでなしぃ!
あなたの場合、手に取ってすぐ使いましたけどネ。警戒心をもって下サイ
ひーん
まとめ
スパイは使い古された道具を好む。
新製品しかない場合は、他人に検証させよう。
新製品を使うとき、その様子をじっと見ている人がいれば、それはスパイ……!
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