あらすじ:とてもシンプルな部屋に呼び出されたぬこじゃむ。イヤな予感がして帰ろうとしたけれど、時すでに遅し。
謎の声は言います。
『おまえ、スパイになりなさい』
落雷を叩き込まれ、あっさりと逃走を諦めたぬこじゃむですが、さて、これからどうなってしまうのでしょうか。
なんでスパイ!?
特訓0:どちらにせよ動機はとてもシンプルだった
***
おまえ、ピンチに陥ったことはないか?
***
い ま
その時は何もできなかったのに、あとになって「ああすればよかった」「こうすればよかった」と思うことはよくあるだろう。
う ん
***
最近、読み放題サービスに入ったのだ。
***
えっ
毎日なにかしらの本を読むからな。
新書や雑誌も豊富でかなりお得だ。立って読まなくていいし、資料あつめにも役立つ。ネットでいちから探すより、本なら体系的にまとめられてるから便利だったりする。
そこで面白そうな本を見つけたのだ。
タイトルは『スパイが教える思考術』
やってみたい(直球
だからおまえ、スパイになりなさい。
ええ……
ひとりでやって欲しいんだけど……
現実はそううまくいかないものなのだ(遠い目
諦めた。
でもここでならできそう……いや、
おまえならできる。
そういうわけでスパイにする。
で、でもぉ……(もじもじ
なにも危険な場所に飛び込めと言うわけではない。
スパイの思考術を知ることによって、ずば抜けた判断力が身につくはず。
たとえば今、おまえは命を握られている。
ちょちょっと雷を落とせば苦いジャムになってしまうだろう。
ひぃぃ……
なのにちっとも、どうすればいいか考えていない。無理だと決めつけている。
つまりは思考停止だ。ちがうか?
まぁ、それには理由があるのだけど。
なにをどう考えればいいかが分かっていないからだ。
考える型もサイクルも持っていないから、ピンチに陥った途端、そこで絶望するしかなくなる。
だがもし、考えることが決まっていたらどうだ?
絶望的な状況でも、考えることをやめずに打開策へとたどり着く可能性は大きくは増える。
(この)物語の主人公たちのように!
ピンチのとき、頭を回し続けるのは難しい。
しかし、考えの型が決まっていればそれを思い出すだけでいいのだ。どんな状況でも、頭ひとつあれば打開策を考え続けることができる。
ほぉ……
しかもその型は、何十年にも渡ってスパイに愛用されてきたものなのだ。
すごい……
けど、むずかしそう
むずかしいだろうな。
しかし習得不可能なものではない。
反復練習で身につけられる。
掛け算九九と同じだ!
にさんがろく!
そう、この本にはとてもシンプルな考え方しか乗っていない。公式はたったのひとつ! か、ふたつ!
たったそれだけのシンプルな思考を覚えることで、主人公的な思考回路が手に入るとしたら……?
そわそわ
しかも特別な道具もなしに訓練できるとしたら??
次回こそ中身に!
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