4. 虚空のマイケル 4-53:あわあわの世界へ *** カチ、コチ、カチ、コチ カチ、コチ、カチ、コチ 茶色いマイケルははじめ、また星の外に連れて来られたのかと思ったよ。 瞬きをしたら闇の中にいたんだ。 しばらくすると暗闇に目がなれてきて、いくつかの扉がぼんやりと浮かんでいるのがわかった... 2021.05.07 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-52:回転儀 *** 驚愕をよそに、子ネコたちの身体は空へと向けて加速した。 当たり前のようだけど、速さっていうのは身体が感じているものらしい。 びゅんびゅん吹く風を肌で受けたり、間近に通り過ぎる建物を見たりするからこそ、速いって感じるんだ。周りに建物が... 2021.05.06 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-51:極光 *** 突然の夜。日蝕だろうかと空を見上げると星が出ていた。 舐めたら甘い味のしそうな星の海。 隣を見れば風ネコさまが、茶色いマイケルの耳に手を伸ばしたまま、氷像みたいにかちんこちんに固まっていた。風ネコさまだけじゃない。3匹のマイケルたち... 2021.05.05 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-50:疲れる景色 *** 山脈が再び震え出した。 今度は震えるにとどまらず、大地の神さまの後を追うように、ぼろぼろと崩れていく。頂上を残して壁面が崩れ、周りの山々も大きくひびの入った箇所からガコッと割れて、斜面をなだれ落ちていった。 物凄い音がしていたと思う... 2021.05.04 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-49:宣言、そして崩壊 『よーし来るか、来るよな? 来い、来い、出てこい』 どこからともなく聞こえてくる風ネコさまの声は、無邪気というよりは真剣で、ずっとずっと待ちわびたものがついに目の前に現れる、という高揚感でいっぱいだ。 反対に、一拍遅れて叫んだ灼熱のマイケル... 2021.05.03 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-48:ネコ鉄砲の引き金 穏やかな色で塗りかえられていく空。 薄いカーテンをサーッと閉めるように、そこにあったものすべてが押し流されてしまった。 黒雲、雷、大渦、炎、礫、隕石……。それらが寄せられ、詰められ、転がり、ひしゃげ、潰れて、霧散しながら、大空の端へ端へと送... 2021.05.02 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-47:雷雲の海 *** 球雷は、さっきよりもかなり速く膨らんだ。あんまり速いからすぐにクラウン・マッターホルンの頂上が飲み込まれるかと思ったんだけど、 あれって……! つむじ風が立ったんだ。それも崖の上で見たものよりずっと大きくてはっきりした、ほとんど竜巻... 2021.05.01 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-46:ネコ裁判 *** 擦れた呼吸音だけがやけに大きく聞こえる空の上。 茶色いマイケルは視線の先に、『風の獣』に乗った2匹のマイケルを見つけた。 虚空のマイケルは、肩で息をしている果実のマイケルの元へと滑るように近寄り、ケガが無いかどうかを確認していた。果... 2021.04.30 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-45:雷樹と黒ネコと *** 大きな音はしなかった。 ただし、変化が無かったわけじゃない。 茶色いマイケルたちの正面、青空にひびが入っていたんだ。ピシリ、ピシリと繊細な音をたてながら、光の亀裂が上へ横へと広がっていく。「雷樹……」 虚空のマイケルが『風の獣』にま... 2021.04.29 2021.08.14 4. 虚空のマイケル
4. 虚空のマイケル 4-44:お礼 *** 『神世界鏡の欠片』は『尖った岩』に打ち当たるなり細かく砕けた。 シャン、と軽く涼やかな音をたてて、風に撒いた砂のように粉々になってしまった。その粉が爆風に乗って雷雲ネコさまの中へと吸い込まれていく。 風の勢いはすごかったし、ほんの一... 2021.04.28 2021.08.14 4. 虚空のマイケル